こんにちは。
「楽しんで歌ってきます」という
生徒さんの言葉に
不満をお持ちでいらしたAさんのお話を
続けます。
なぜ嫉妬、につながるのか
みなさまも予想なさってみてください。
レガートができない
Aさんが怒っていらしたのは
楽しむ、という言葉なのか、
それとも、
楽しむと言ってしまう態度なのか
それとも
楽しむということに至る思考なのか
そこにAさんの抱えていらっしゃる
表現上の問題があると思った私は
いろいろな呼吸ワークをすることで
ご自分の演奏に対して、
もしくは音楽に対しての思考を
身体の動きから
探っていっていただきました。
詳しくは書きませんが
大きな活躍をなさっておられるAさんの中に
いろいろな葛藤があるのは
呼吸の中に透けて見えていましたし
ご本人も何度となく
お話になっておられました。
表面的に気になっていらしたのは
フレーズが流れない、
いわゆる「本当のレガートができない」
ということだったようです。
身体の使い方をいくら研究しても
ごまかしのレガートなんです、
とAさんは悩んでいらして
それがレッスンに通ってくださる
大きな理由でした。
なぜ流れないか、ということは
実は「楽しむ」ことを拒否することに
つながっているのだと
わかっていただけたら、と
思いながら
レッスンを組み立てていきました。
なんのために緩めるのか
Aさんとレッスン後のシェアの時に
最近の生徒さんの傾向のお話が
ちらっと出ました。
「今の子って身体の使い方が
私たちと違うんですよ」
おお、たとえば?
「芯がないんです、くらげみたい」
ふーむ。
「だから、芯を作ろうとすると
今度は全部固まってしまって
かちーん、です」
なるほどなるほど。
「メリハリがないんですよね」
そうですねえ。
そして、この話をしたその瞬間
「あ」とAさんが小さく叫ばれました。
ん?
「なんか、わかりました。
そうか。そういうことか。
私、緩もうとしてたんですけど
なんで緩もうとしてたかわからずに
緩もうとしてました」
そうです。
緩んだ方がいい、って思っていらしたので
とにかく緩めなくちゃ、と思い
頑張っていらしたんですね。
すごいですね、
そこまでお考えが広がるなんて、と
お話すると
「さっきの呼吸ワークで
私の緩め方が違うんじゃないかって
気づけたんです」
とうれしそうに
お話してらっしゃいました。
からっぽになりました
良かったです、と言って
お帰りになった次のレッスンで
いきなり
「あのお、心がからっぽになりました」
とAさん。
は?
からっぽ?
「はい、からっぽです」
うーん。
そうか。
つづく。
小さなヒント
言葉がつっかかって
出てこない時って
どんな時ですか。

