こんにちは。
認められたい、でも目立ちたくない、
その方にとっては、
矛盾していない、
正直な気持ちなのですが
そこに横たわっている問題と
そこから抜け出すためのお話、
最終です。ちょいと長いです。
認められたいvs注目されたい
時として混同されるのは
「認められたいけど、目立ちたくない」と
「注目されたいけれど、目立ちたくない」です。
認められたいということと
注目されたいということは
まったく違うのですが、
取り違えていらっしゃる方は
意外と多いように思うのです。
ここの差を明確にすることは
表現者にとって自己表現の成熟に
関わってくることとなります。
認められたいというのは
今までお話してきた通り
本質的であり、
内なる方向へ向かうもので
自分の才能や努力を
正当に評価してほしいけれど
自己主張する人とは思われたくない
ということなので
自己の価値を表明したいけれど
集団の中で安心安全に過ごしたい
表れになります。
一方、注目されたいけど
目立ちたくないというのは
そこから少しずれて
評価してほしいけれど
批判されたくない、
他者と比較してほしくないという
外的な承認欲求と恐れから
生まれています。
例えば
「舞台では堂々とパフォーマンスするけれど
終わった後は人前に出たくない、
感想を聞きたくない」
「自分を宣伝することに強い抵抗を持っている」
「注目されたいと言えずに、理解されたい
共感してもらいたいと、言い換えたりする」
傾向があります。
特に一番最後の
「みんなにわかってもらえるとうれしい」
「この感動をシェアしたいです」
という言い方をするケースは
とても多くて
その本音は「注目されたいです、
でも飛び出したくないです」が
メインなのです。
認められたい、の方は
努力はにじみ出るものだから
ことさらに言うのはよろしくないとか
技術的に高い水準なのに
まだまだです、と言い続けたりするのが
ほとんどなのと比べると
まったく違う精神構造なのが
おわかりかと思いますが
本人が取り違えている場合も多く
そうするといつまでたっても
自分のパフォーマンスに満足できない
いつも何か足りない感覚に
なるのだろうと思います。
安心安全な場を作るのではなく
「見られる」ことに対しての安心を
作り出さなければいけないので
違う対処の仕方では解決しないのです。
ご自分がどちらのパターンか
わからない方もいらっしゃるので
ブレイクスルー呼吸®のレッスンでは
ゆっくり掘り下げてから
ワークを行うようにしています。
認められるというご褒美
表現者の仕事は
認められる、評価される、
注目されることが
最終目標ではありません。
けれど、
小さいころから学びを続けてきて
ご褒美が「認められる」に
なってしまうと
どうしてもここから抜け出せず
思うような評価が得られないと
いきなり他の方向へ走ったりします。
私の知り合いでも
声楽家を目指して
イタリアに奨学金をもらって留学したのに
先生に
「あなたは背が小さいから
歌い手には向かないわね」と
言われたその一言ですっぱり歌をやめて
そのまま帰国してきた、という
驚くようなことがあって
本人としては
とにかく悔しい悲しいどうしようもできない
他のことならいざ知らず
身体はどうしようもできない、と思いこんで
やめることになったのでしょうが
ここをお読みの方は
はーん。。。と思い当たることが
おそらくおありかと思うのです。
けれど、その方にとっては
何らかの形で「認められる」ことが
どうしても欲しい、
なおかつ、目立たない方法でとなると
これまたとても難しく
ずっと
「みんなから認められるけれど
みんなから目立たない方法」を
模索し続けなければならなくなるのです。
ではどうしたらいいのか。
共鳴ではなく響き合う
呼吸の観点から私がお勧めしているのは
「共鳴」の感覚ではなく
「響き合い」の感覚を取り入れることです。
つまり、何かの響きに反応して
こちらも響く形の時の呼吸は
受け取るほうがメインなので
吸気が多くなります。
しかし、響き合いのように
双方向で時間的にも空間的にも
継続する関係は
吸気と呼気がイーヴンになります。
言葉で書くとなんのこっちゃ、
になってしまうのですが
実際に呼吸のワークをしてみると
「認められたい」が強い方の呼吸は
とても特徴的なので
2人以上でワークをしたときに
流れがうまくいかなくなります。
ひとり芝居、ソロの演奏だといいけれど
アンサンブルがヘタなタイプです。
けれど、呼吸が変わっていくと
ウソのように響きが変わります。
自分も鳴るし、空間も鳴るし、相手も鳴るので、
結局はすばらしい場になるのです。
表現と言うと
単に自分を外に表すことだと
勘違いされがちですけれど
本当はそうではなくて
私という存在と、他の存在が交わる、
つまり、表現者、観客、場が
ひとつの呼吸体となることです。
だからこそ、
今ここにいる私、がなんなのか
わからなくてはならないのです。
「私は今ここにいる」については
また改めて深くお話をしたいと思っていますし
ブレイクスルー呼吸®の最終的なゴールが
ここであるということを
わかっていただくために
またいろいろ考えていこうと思っています。
小さなヒント
(解説は公式LINEにて)
うまくいったにしろ、
いかなかったにしろ、
自分のパフォーマンスへの言い訳って
どんなことがありますか。

